偶数を避ける理由が、慶事と弔事で違う
「偶数はダメ」とだけ覚えている方が多いのですが、理由は場面によって別物です。
ご祝儀で偶数を避けるのは、割り切れる数が別れを連想させるからです。新郎新婦が分かれてしまう、という意味づけになります。
香典で偶数を避けるのは、故人との縁が切れるとされるためです。同じ「偶数を避ける」でも意味がまったく違います。だから香典で1万円を包むときは、5千円札2枚ではなく1万円札1枚にします。金額が同じでも、枚数まで偶数にしない配慮です。
4は死、9は苦に通じるため、4万円・9万円・4千円・9千円は使いません。
例外もあります
8万円は偶数ですが、八が末広がりの形をしているため縁起が良いとされ、許容されます。10万円も切りのよい数字として問題ありません。
2万円は少し複雑です。伝統的にはNGでしたが、近年は「ペア(2人・一対)」の意味づけで許容される流れが強くなり、特に20代や会費制の場面では珍しくありません。それでも気になる場合の折衷案が、1万円札1枚+5千円札2枚の計3枚にして枚数を奇数に揃える方法です。ただし新郎新婦側の集計が煩雑になるという実務的な反論もあるので、絶対の正解ではありません。この計算機が2万円を「禁止」ではなく「注意」として扱っているのはそのためです。
新札の扱いは慶弔で正反対
- ご祝儀 = 新札が必須。前もって用意していた、という祝福の意思表示になります。
- 香典 = 新札を避ける。新札だと「不幸を予期して準備していた」印象になるため、旧札を使うか、新札を一度折ってから包みます。
うっかり両方に新札を使ってしまいがちなので、ここは覚えておく価値があります。
香典は年代で変わります
ご祝儀は間柄だけで目安が決まりますが、香典は間柄と自分の年代の組み合わせで変わります。たとえば祖父母への香典は、20代なら1万円、40代以上なら3~5万円が目安です。同じ関係でも立場が変われば包む額が変わる、という考え方です。
この計算機で香典を選んだときだけ年代の選択欄が出るのは、この違いを反映しているからです。
中袋の大字(旧字体)
中袋には金額を縦書きで、漢数字の大字で書きます。金参萬円のような形です。改ざん防止が目的で、公証人法第37条などで壱・弐・参・拾の4字が法令上の大字と定められています。
実務では伍もよく使われます。法令上の大字ではありませんが、中袋では慣行として定着しています。円を圓と書くこともできますが、現代の中袋では円が一般的です。末尾の也は10万円以上で付ける案内が多い一方、付けなくても差し支えないという出典も多く、どちらでも構いません。
10万円の表記は金拾萬円と金壱拾萬円のどちらも正統とされています。この計算機では前者を既定にし、後者も切り替えで出せるようにしました。
表書きで最も間違えやすいところ
香典袋の表書きは宗教と時期で変わります。仏教なら四十九日より前が御霊前、以降が御仏前です。
ただし浄土真宗・真宗大谷派は、最初から御仏前を使います。亡くなるとすぐに成仏するという教えのため、霊の状態を前提とする「御霊前」を使わないのです。ここが最も間違えやすい箇所です。
宗派がわからなければ御香典が無難で、神道は御玉串料、キリスト教は御花料になります。