これはフォントではなく文字です
フォントは、文字を表示する側の端末にあります。フォントで飾った文章を別の場所に貼り付けると飾りが消えるのは、そちらにはそちらのフォントがあるからです。
このツールが作るものは違います。Unicodeには太字のA、斜体のA、筆記体のAが、それぞれ別の文字として入っています。ベクトルとスカラーを書き分ける必要のある数式表記のために用意された領域です。そのひとつをコピーするのは é や ⌘ をコピーするのと同じことなので、書式機能のまったくないプロフィール欄に貼り付けても形が残ります。
日本語の文字にはこうした別字がないため、そのまま通り抜けます。英字で書いたニックネームや一言に効くもの、と考えてください。
引き換えに失うもの
検索に引っかからなくなります。 検索窓から見れば 𝒮𝒸𝓇𝒾𝓅𝓉 と Script は何の関係もない文字です。名前や店名、ハッシュタグを探している人は、飾ったほうを見つけられません。
スクリーンリーダーが読めません。 ソフトによって、1文字ずつ読み上げたり、Unicodeの名称をそのまま言ったり、黙って飛ばしたりします。飾りではなく意味を持たせた文なら、その意味がまるごと失われます。
ハッシュタグになりません。 ほとんどのサービスは普通の文字で書かれたタグしか認識しないので、飾ったタグは記号から始まるただの文になります。
実用的な線引きはこうです。表示名か、一行の強調にだけ使い、人が検索したり読んだり押したりする部分は普通の文字のまま残してください。
表示できる環境とできない環境
文字そのものは標準ですが、その字形を持つフォントが端末に入っていなければ表示されません。ないときは白い四角が出ます。最近のスマートフォンやパソコンは数学用アルファベットをきちんと表示しますが、古いAndroid、一部のスマートテレビ、いくつかの組み込みブラウザはそうではありません。
丸文字と四角文字がいちばん安全で、次が太字と斜体です。フラクトゥール(ひげ文字)と二重線の輪郭は崩れやすい組み合わせです。長く使う名前に決める前に、スマートフォンで一度確かめてください。
ユーザー名に使う前に
表示名にはこれらの文字を通すのに、ログインに使うIDでは弾くサービスがあります。黙って普通の文字に直して保存するところもあります。そして、人が打てない名前は、人が言及したりタグ付けしたりできない名前でもあります。
ゲームやチャットのニックネームは、この方法がうまく生きる場所です。本名や事業者情報、客が検索して探す名前は、そうではない場所です。
飾った文字を普通の文字に戻す
もうひとつのタブが逆向きに戻します。どこかで見かけた文字を貼り付けるだけです。真似したいプロフィール名も、飾り文字で埋めた見出しも、取り消し線の引かれたコメントも、検索でき編集でき保存できる普通の文字に戻ります。
取り消し線と下線だけは仕組みが少し違います。文字を差し替えるのではなく、1文字ごとに目に見えない結合文字を後ろに付けているので、その文字を外せば元の文章がそのまま残ります。
大文字を戻せないスタイルもあります。スモールキャップスと四角文字、上付き文字は大文字と小文字が同じ字を使う位置があるため、XYZ は xyz として戻ります。